スピリチュアリズム


2022
 
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2022-2-14 「老人病」

タイトルの「老人病」というのは、私が勝手に付けた名前です。
世間では「老害」と言うそうですね。
でも、老害というと周りに害を及ぼしているということなので、私はあえて老人病と思うことにしました。
医学的には、前頭葉が老化して萎縮することが原因のようです。

いつごろからか、私はこの老人病を意識するようになりました。
自分の価値観とか行動がノーマルだと思って接すると腹が立つけれど、病気だと思えば寛容に受け止められますから。

こんなことがありました。
犬の散歩でいつも歩いている道があります。
車が乗り入れ禁止になっている2m幅ぐらいの川沿いの道です。
犬を飼っている方ならご存じなのですが、犬というのはまっすぐ歩いていても、気になるニオイをキャッチしたりすると、突然 方向を変えて気になる方に行こうとします。
歩いている方たちの邪魔にならないように、リードを引っ張ったりして気を付けているつもりですが、本当に突然ということがあるのです。

ある時、前の方から1人のお年寄りがこちらに向かって歩いてきました。
男性の方です。
その方は右側通行をしていました。
私も右側を歩いていたのですが、犬が急に左側に寄りました。
そうしたら物すごい剣幕で、「日本は右側を歩くのが法律だ。いい年してそんなことも知らないのか!」と怒鳴られました。
自分が歩いている方向を遮られて腹が立ったのでしょうね。
私は立ち止まってポカンとするばかりでした。

川沿いなので、四季折々の空気を感じながら、多くの人が散歩している道です。
「ここはあなた専用の道なのですか?」とでも言ってやればよかったかもしれませんが、急には思い浮かびませんでした。
でも、何かしら言えば余計にどなられそうなので、気持ちはむしゃくしゃしながらも言い返さないで良かったと思って、犬の散歩を続けました。

また別の日でした。
右側を歩けと言われてからなるべくそうしていたのですが、別のお年寄りが左側を、私から見たら右側ですが、その方が私の方に歩いてきました。
道に線が書いてあるわけではないのですが、その方はまっすぐまっすぐこっちに向かって歩いてこられたのです。

犬が立ち止まって草むらの臭いを嗅いでいたので、私も立ち止まって犬の方を見ていました。

そうしたらその方が「邪魔だ! どけ!」と言って思いっきりぶつかってきて、私を押しのけてさっさと歩いていきました。
その方が避けてくれるとばかり思っていたので、驚きました。
というより、呆気にとられたという方がピッタリかも。
何にも遮られることなく一直線に歩きたかったのに、自分の進路に私と犬がいたので腹が立ったのでしょう。

他にもたくさんあります。
一番多いのが、気さくなのはいいのですが、年を取ると自分だけしゃべる人がいます。
言葉のキャッチボールができないんです。
その人は言葉のボールを次から次へと投げる人で、私は受けるだけの人、という感じです。
途中で話を挟もうと思っても挟めないぐらい、自分の言いたいことを延々と話したりします。
途中で私が何か話しても、無視して自分が言いたいことだけを話し続けます。
用があるので失礼します、と言って帰ろうとしたら、後ろから大声で私の後ろ姿に向かって話し続けられた時はさすがに困りました。
こういう時は、どうしたら良いのでしょうか。

ある日ご近所の方と3人で立ち話をしていた時です。
話していたというより、呼び止められて話に加わざるを得なかった時のことです。
私以外の2人は他人の話を聞かないで、自分だけ延々と話し続ける人たちです。
この時はさらに困りました。
2人が同時に私に向かって話すと、聖徳太子のようには理解できないので、本当に困ります。
右の人の方を見たり、左の方の人を見たりしながら、ちゃんと聞いていますよ、の振りをするしかありませんでした。
こういう人たちに限って時間が有り余っていますから、話は本当に延々と続くのです。
仕方がないので、しばらくして おもむろにバッグからスマホを取り出して、電話をする振りをして歩きながら家に帰りました。
そのあと2人がどうなったかは知りません。

こうしたことは結構 日常茶飯事に出くわしています。
悪意のない老人たちの困った行動を、これは「老人病」なんだ、と勝手に思うことにしました。
病気と思えば腹も立ちませんし、適当にあしらうこともできますから。
近所では平均年齢がどんどん上がってきているので、ますますこの老人病が多くなるのでしょうね。
自分はそうならないように気を付けようと思うのですが、気が付かないのは自分だけなのかもしれません。

 

















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